怖がらずに飛び込め、世間はそう言うから余計に動けなくなる
好きになりかけると、ブレーキがかかる。
このまま進んだら、傷つくかもしれない。また同じことになるかもしれない。そう思うと、自分から距離を置いてしまう。
恐れずに飛び込みましょう。傷つくことを恐れていたら、幸せは掴めません。勇気を出して、が一番役に立たない。怖いものを、怖くないと思い込むことはできない。
恐怖を消そうとすることが、逆効果になる
怖い、という感情を、なくそうとする。勇気を出して、恐れずに、と自分に言い聞かせる。すると、何が起きるか。
怖い自分を、否定することになる。
なんでこんなに怖がってるんだろう。もっと素直にならなきゃ。こんな自分じゃダメだ。この自己否定が、積み重なる。
そして、自己否定は、自己肯定感を下げる。自己肯定感が下がると、もっと臆病になる。自分に自信がないから、余計に踏み出せない。
恐怖を消そうとするほど、恐怖が強くなる。この悪循環が、動けない状態を、長引かせる。
怖いのは、正常な反応だという事実
もうひとつ、大事なこと。
本気で好きになるのが怖い、というのは、異常なことじゃない。
本気になる、というのは、傷つく可能性を引き受けること。深く好きになるほど、失った時のダメージが大きくなる。これは、事実。
過去に傷ついた経験があるなら、脳がそれを記憶して、警告を出す。また同じ痛みが来るかもしれない、と。これは、自分を守るための、正常な機能。
つまり、怖いのは、あんたが弱いからじゃない。過去にちゃんと傷ついて、それを学習した結果。学習能力があるからこそ、怖い。
この理解が、まず必要になる。怖い自分は、壊れてるんじゃない。
本気になるのが怖かった側の頭の中、内側を全部開ける
好きになりかけるたびに、ブレーキをかけてた時期
私も、本気で好きになるのが怖かった時期がある。正直に、その時の頭の中を話す。
過去に、深く好きになった相手に、振られた経験があった。立ち直るのに、時間がかかった。あの時の痛みが、体に残ってた。
それ以来、誰かを好きになりかけると、警報が鳴るようになった。
(あ、これ以上好きになったら、危ない)
そう感じた瞬間、自分から距離を置いた。連絡の頻度を落とす。会う回数を減らす。深い話を、避ける。
相手からしたら、急に冷たくなったように見えたと思う。でも、私の中では、自分を守るための、必死の防衛だった。
好きだった。むしろ、好きすぎたから、怖かった。この矛盾が、私を動けなくさせてた。
怖いまま進んだ時、何が起きたか
でも、ある時、少し変わった。
きっかけは、恐怖を消そうとするのを、やめたこと。
それまでは、怖い自分を責めてた。もっと素直にならなきゃ、と。でも、ある時、疲れて、開き直った。
(怖いなら、怖いままでいいや)
怖い気持ちを、認めた。そして、認めた上で、小さく進んでみることにした。
いきなり全部を委ねるんじゃなく、少しだけ。今日は、正直な気持ちを一つだけ話してみる。今週は、誘いを断らずに行ってみる。この程度の、小さな一歩。
怖いまま、進んだ。恐怖はなくならなかった。でも、怖いまま動けることが、わかった。
そして、小さく進むうちに、この人は大丈夫かもしれない、という感覚が、少しずつ育った。恐怖が消えたんじゃない。恐怖より、この人といたい気持ちが、少し上回った。
本気になるのが怖い、三つの背景
恐怖の正体を、正確に分解する。
過去の傷が、警報を鳴らしている
ひとつ目は、私が話したパターン。過去の恋愛で深く傷ついた経験が、警報を鳴らしてる。
このパターンの特徴は、恐怖が、特定の状況で強く出ること。過去の傷と似た状況になると、警報が鳴る。相手が優しくしてくれた時、関係が深まりそうな時、この人ならと思えた時。
つまり、うまくいきそうな時ほど、怖くなる。これが、この背景の特徴。
過去の記憶が、今の関係に、影を落としてる。
自己肯定感の低さが、疑いを生む
ふたつ目は、自己肯定感の低さから来る恐怖。
私なんかを、本気で好きになってくれるはずがない。今は好きと言ってくれても、いつか気持ちが離れる。この不安が、本気になることを、止めてる。
このパターンの特徴は、相手の好意を、素直に受け取れないこと。好きと言われても、どうせ本気じゃない、と疑ってしまう。
自分に価値がないと感じてると、他人の好意も、信じられなくなる。
失うことへの恐怖が、大きすぎる
みっつ目は、失うことへの恐怖。
好きになればなるほど、失った時が怖い。だから、最初から深入りしない。手に入れなければ、失うこともない。
このパターンの特徴は、関係が深まりそうになると、自分から壊してしまうこと。うまくいきかけると、わざと距離を置く。予防的に、自分から手放す。
失う痛みを避けるために、最初から持たない。この戦略が、無意識に働いてる。
この三つは、重なっていることが多い
正直に言うと、この三つは、はっきり分かれてないことが多い。
過去の傷があって、それが自己肯定感を下げて、失うことへの恐怖を強めてる。全部が、絡み合ってる。
だから、どれか一つを解決すれば終わり、というものじゃない。少しずつ、全体をほぐしていく必要がある。
そして、そのほぐし方は、恐怖を消すことじゃない。次で話す。
9割がやらない逆の一手は、恐怖を消さずに小さく進むこと
じゃあどうするか。恐怖を克服しようとする全員と逆をいく。
怖い気持ちを、認めたまま動く
具体的に言う。
恐怖をなくそうとする、をやめる。勇気を出せ、と自分に言い聞かせる、もやめる。代わりに、怖い気持ちを認めたまま、動く。
今、私は怖い。これでいい。怖いまま、一歩だけ進んでみる。
恐怖を消してから動こうとすると、永遠に動けない。恐怖は、そう簡単に消えないから。
でも、怖いまま動くことは、できる。怖いけど、今日は正直な気持ちを一つ話してみる。怖いけど、今週は誘いを受けてみる。
9割の人はこれができない。怖くなくなってから、動こうとするから。でも、順番が逆。動くことで、少しずつ怖さが変わる。私が変われたのは、怖いまま動いた時だった。
進む幅を、小さくする
もうひとつ、大事なこと。
一歩の幅を、小さくしてほしい。
いきなり全部を委ねる必要はない。全力で好きになる必要もない。
今日は、本音を一つ話す。今週は、誘いを一回受ける。今月は、少しだけ長く一緒にいる。この程度の、小さな一歩でいい。
なぜ小さくするか。大きく踏み出すと、恐怖も大きくなるから。恐怖が耐えられる範囲で、少しずつ進む。
小さく進んで、大丈夫だった、という経験を積む。この経験の積み重ねが、少しずつ、恐怖を和らげる。
一気に飛び込むんじゃなく、一段ずつ降りる。この慎重さが、逆に、進み続ける力になる。
相手に、怖いことを伝える
もうひとつの一手。
信頼できそうな相手なら、怖い気持ちを、伝えてみる。
実は、本気になるのが少し怖くて。前に傷ついたことがあって、慎重になっちゃうんだ、と。
なぜこれが効くか。伝えることで、相手が理解してくれる可能性があるから。
あんたが急に距離を置いた時、理由を知らない相手は、脈なしだと思って引く。でも、理由を知ってれば、待ってくれるかもしれない。慎重になってるだけだと、わかってくれる。
そして、伝えた相手の反応が、その人を見極める材料にもなる。理解してくれる人か、急かしてくる人か。ここに、答えが出る。
なぜ恐怖を消さない方がいいのか
感情は、否定すると強くなる
心理学で、感情を抑圧すると、かえって強くなることが知られてる。皮肉過程理論と呼ばれる現象。
怖いと思っちゃダメだ、と抑え込むと、その怖さが、体の中で膨らむ。抑え込む力が、感情を強くする。
逆に、怖いと認めると、その感情が、波のように来て、引いていく。認めた感情は、暴れない。
だから、恐怖を消そうとするより、認めた方が、結果的に楽になる。
怖い自分を、否定しない。ただ、怖いんだな、と認める。この受容が、恐怖の暴走を止める。
小さな成功体験が、恐怖を書き換える
もうひとつの心理。
行動療法に、系統的脱感作という手法がある。恐怖の対象に、小さいものから順番に慣らしていく方法。
いきなり大きな恐怖に飛び込まない。小さい恐怖から始めて、大丈夫だった、という経験を積む。この経験が、恐怖の記憶を、少しずつ書き換える。
恋愛でも、同じ。いきなり全部を委ねるんじゃなく、小さく進んで、大丈夫だった、を積み重ねる。
本音を一つ話して、否定されなかった。少し長く一緒にいて、平気だった。この小さな成功が、恐怖を和らげていく。
一気に克服しようとせず、少しずつ慣らす。この方が、確実に進む。
恐怖があることが、慎重さという強みになる
もうひとつ、大事な話をする。
本気になるのが怖い、という性質は、欠点だけじゃない。
慎重に相手を見る、ということでもある。すぐに全部を委ねない。時間をかけて、この人が信頼できるか、確かめる。
これは、実は健全な進み方。すぐに全部を委ねる人は、相手を見極める前に、深入りしてしまう。そして、後から後悔することがある。
怖いからこそ、慎重になれる。慎重だからこそ、相手をちゃんと見られる。この視点で、自分の恐怖を、捉え直してほしい。
恐怖は、あんたを守るために働いてる。その働きを、完全に消す必要はない。うまく付き合えばいい。
覚悟すべきリスク、進むことの注意点
小さく進んでも、傷つくことはある
これははっきり言う。
小さく進んでも、傷つく可能性は、ゼロにならない。
慎重に進んでも、うまくいかないことはある。相手が合わなかった、タイミングが違った、いろんな理由で、終わることがある。
その時は、また傷つく。この可能性は、消せない。
でも、小さく進んでたなら、傷は浅い。全部を委ねてから終わるより、ダメージが少ない。そして、また立ち上がる力が、残ってる。
傷つかない方法はない。でも、傷を浅くする進み方は、ある。
怖いことを理由に、全部を止めない
これは大事な補足。
怖いまま進む、というのは、怖いから何もしない、とは違う。
怖いから、誘いを全部断る。怖いから、誰とも会わない。怖いから、恋愛を諦める。これは、進んでない。止まってる。
怖い気持ちを認めた上で、小さく一歩進む。この一歩が、必要。
認めることは、動かない言い訳にしないでほしい。認めた上で、動く。この両立が、大事になるよ。

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