敬語は距離を置きたいサインだから引け、世間はそう言う。だから一番わかりやすい変化を、一番早く諦める
昨日まで、普通にタメ口で話してた。
なのに、今日から急に敬語になった。そうですね、わかりました、ありがとうございます。距離のある言葉が、返ってくる。
何かした? 嫌われた? 距離を置かれてる?
敬語に戻すのは、距離を置きたいサイン。心を閉じた証拠だから、察して引きましょう、と。
確かに、距離を置くために敬語を使うことはある。でも、それが全部じゃない。急に敬語になる、という不自然な変化には、別の理由があることが多い。
敬語への変化は、不自然だからこそ意味がある
まず、押さえておきたいこと。
タメ口から敬語に戻る、というのは、かなり不自然な変化。
一度タメ口で話せる関係になったのに、わざわざ敬語に戻す。これは、労力がかかる。無意識にタメ口が出そうになるのを、意識的に抑えて、敬語を使ってる。
つまり、意識的にやってる。無意識じゃない。
本当にどうでもいい相手なら、こんな面倒なことはしない。適当にタメ口のまま、薄くなっていくだけ。
わざわざ敬語に戻す、という労力をかけてる。この労力の裏に、何かがある。感情が動いてなければ、この変化は起きない。
距離を置くだけなら、他に方法がある
もうひとつ、大事な視点。
本当に距離を置きたいだけなら、敬語より効果的な方法がある。
連絡を減らす。会話を減らす。目を合わせない。誘いを断る。これらの方が、はるかに直接的に、距離を作れる。
なのに、敬語を選ぶ。しかも、会話自体は続いてる。話しかけてくれる。ただ、言葉遣いだけが変わった。
これは、距離を置きたいというより、何か別の理由がある可能性が高い。関係を切りたいなら、敬語なんて回りくどい方法は使わない。
会話は続けたい。でも、何かが変わった。この状態が、敬語という形に出てる。
急に敬語になった側の頭の中、内側を全部開ける
ここで内側の話をする。急に敬語になった側として。
好きだと自覚した瞬間、敬語に戻った経験
私も、急に敬語に戻したことがある。正直に、その時の頭の中を話す。
職場で、よく話す男性がいた。仲がよくて、タメ口で話してた。冗談も言い合える関係だった。
でも、ある日、気づいた。私、この人のこと好きかもしれない、と。
その瞬間から、話し方が変わった。
(タメ口で話してると、好きなのがバレそう。距離が近すぎる)
無意識に、敬語が出るようになった。意識的にやってた部分もある。距離を作らないと、気持ちが漏れそうで、怖かった。
彼は、たぶん、私が距離を置いたと思ったと思う。でも、逆だった。近づきすぎて怖くなったから、言葉で距離を作った。
好きだと自覚した瞬間、それまでの自然な距離感が、保てなくなった。この動揺が、敬語という形で出た。
敬語に戻したら、彼が引いてしまった
問題は、その後だった。
私が敬語になったら、彼も距離を置くようになった。
それまで気軽に話しかけてくれてたのに、話しかけてこなくなった。冗談も、言わなくなった。彼も、敬語で返すようになった。
(あ、彼も距離を置いた。私が敬語にしたから)
私が作った距離が、彼にそのまま伝わって、彼も同じ距離を返してきた。
そして、二人の間に、他人行儀な空気が固まった。もう、元には戻れなくなった。
彼が、あれ、なんで急に敬語?と軽く聞いてくれてたら。私は、動揺しながらも、何か答えられたかもしれない。でも、彼は察して、同じように引いた。
私の防衛が、二人の関係を、終わらせた。
急に敬語になる、四つの理由
敬語への変化にも、種類がある。正直に分ける。
好意を自覚して、距離を作った
ひとつ目は、私が話したパターン。好きだと自覚して、無意識に距離を作った。
このパターンの特徴は、敬語になる前後で、他の態度に変化があること。目を合わせにくくなる、二人になるのを避ける、でも会話自体は続けたい様子がある。
そして、時々タメ口が出る。完全に敬語で固定されず、ふとした瞬間に、元の話し方が出る。この揺れが、意識的にやってる証拠。
このパターンは、逆転できる。
気まずいことがあって、距離を取った
ふたつ目は、何か気まずい出来事があったパターン。
言い過ぎた、失礼なことをした、誤解が生まれた。この気まずさから、いったん距離を作った。
このパターンの特徴は、敬語になったタイミングが、特定の出来事の後だということ。心当たりが、あるかもしれない。
このパターンは、気まずさを解消できれば、戻る可能性がある。
周囲の目を意識した
みっつ目は、周囲の目を気にしたパターン。
職場で、二人が仲良すぎると噂された。誰かに何か言われた。この結果、公の場では敬語に、という判断をした。
このパターンの特徴は、場面によって話し方が変わること。周りに人がいる時は敬語、二人の時はタメ口、という使い分けがある。
このパターンは、あんたへの感情とは、別の問題。
本当に距離を置きたい
よっつ目は、正直に言う。本当に距離を置きたいパターン。
このパターンの特徴は、敬語だけじゃなく、全般的に距離を作ってること。会話が減る、目が合わない、誘いを断る。敬語は、その一部でしかない。
そして、一貫してる。揺れがない。常に敬語で、タメ口が出ることがない。
このパターンは、相手の意思を尊重する必要がある。
この四つを、どう見分けるか
見分ける鍵は、二つ。
ひとつは、揺れがあるか。時々タメ口が出るなら、意識的に敬語を使ってる証拠。感情が動いてる可能性がある。完全に固定されてるなら、本当に距離を置いてる可能性。
もうひとつは、敬語以外の変化。会話自体が減ったか、続いてるか。誘いに応じるか、断るか。敬語だけなら、別の理由がある。全般的に距離があるなら、本当の距離。
ただ、観察だけでは確定しない。だから、次の一手が必要になる。
9割がやらない逆の一手は、敬語を軽く指摘すること
じゃあどうするか。察して引く全員と逆をいく。
あれ、急に敬語じゃない?と軽く聞く
具体的に言う。
敬語になったから距離を置かれた、と察して引く、をやめる。代わりに、軽く指摘する。
こう言う。あれ、なんか急に敬語じゃない? どうしたの。
冗談っぽく、軽く。責めない、詰めない。ただ、気づいたよ、と伝える。
9割の人はこれができない。指摘したら、気まずくなると思うから。でも、指摘しないと、この状態が固定される。時間が経つほど、敬語が当たり前になって、戻れなくなる。
私が言ってほしかったのは、まさにこの一言だった。軽く指摘してくれてたら、私は動揺しながらも、何か答えられたと思う。
なぜこの指摘が、状況を動かすのか
なぜこれが効くか。敬語にした側の心理を考えるとわかる。
好意を自覚して敬語にした場合、彼女は自分でも動揺してる。なんで敬語になっちゃうんだろう、と。そして、この状態を、自分では戻せない。
自分から、また急にタメ口に戻すのは、不自然。今さらどうやって戻せばいいか、わからない。この袋小路に、ハマってる。
そこへ、あんたが軽く指摘すると、戻る道ができる。指摘されたことで、話し方を変える機会が生まれる。
さらに、指摘に対する反応で、答えが見える。動揺するなら、感情が動いてる。淡々と答えるなら、別の理由がある。
指摘は、状況を動かすと同時に、答え合わせにもなる。
指摘した後の、反応の読み方
指摘した後の反応で、理由が見えてくる。
好意を自覚したパターンなら、動揺する。え、そうかな、と慌てる。少し照れる。そして、その後、タメ口が戻ることもある。
気まずさのパターンなら、少し気まずそうにする。ごめん、と言うかもしれない。理由を話してくれることもある。
周囲の目のパターンなら、正直に説明してくれる可能性が高い。ちょっと、周りの目もあるから、と。
本当に距離を置きたいパターンなら、淡々と流される。いえ、特に、と。そして、敬語のまま続く。
この反応の差が、答えを教えてくれる。察して引いてたら、この答え合わせができない。
なぜ指摘する方が引くよりいいのか
不自然な変化には、必ず理由がある
心理学で、行動の変化には、必ず原因があると考える。
特に、労力のかかる変化には、強い理由がある。タメ口から敬語に戻すのは、労力がかかる。無意識に出そうになるタメ口を、抑え続ける必要があるから。
この労力をかけてまで、変えたい何かがある。それが、好意による動揺なのか、気まずさなのか、本当の距離なのかは、まだわからない。
でも、強い理由があること自体は、確か。
そして、強い理由の多くは、感情が絡んでる。無感情では、こんな労力はかけない。この事実が、確かめる価値を示してる。
変化を放置すると、それが新しい普通になる
もうひとつの心理。
人間関係には、慣性がある。一度定着した状態は、そのまま続きやすい。
敬語になった状態を放置すると、それが二人の間の普通になる。一週間、二週間と続くうちに、敬語が当たり前になる。
そうなると、今さらタメ口に戻すのが、不自然になる。彼女も戻せない。あんたも戻せない。この固定が、関係を他人行儀にする。
だから、早く指摘した方がいい。変化してすぐなら、まだ柔らかい。時間が経つほど、固まる。
察して待つことは、固まるのを待つこと。指摘することは、固まる前に崩すこと。
気づいてもらえることが、安心を生む
もうひとつ、大事な話をする。
好意で敬語になった彼女は、自分の変化に、自分でも戸惑ってる。そして、心配してる。変に思われてないか、嫌われてないか、と。
そこで、あんたが軽く指摘すると、気づいてもらえた、と感じる。しかも、責める感じじゃなく、軽く。この温度が、安心を生む。
この人は、私の変化に気づいてくれた。しかも、怒ってない。ただ、気にしてくれてる。この認識が、彼女の緊張を、和らげる。
気づかないフリをされると、彼女は、関心を持たれてないと感じる。気づいて軽く触れてくれると、関心を持たれてると感じる。この差が、大きい。
覚悟すべきリスク、指摘することの注意点
本当に距離を置きたい場合、それを尊重する
これははっきり言う。
指摘して、淡々と流された場合。本当に距離を置きたい、という意思の可能性がある。
その場合は、尊重してほしい。しつこく理由を聞かない。なんで敬語なの、と食い下がらない。
一度指摘して、反応を見る。距離を置きたい様子なら、その距離を受け入れる。この引き際が、大事になる。
特に職場なら、逃げ場がない。相手が距離を望んでるのに、それを崩そうとするのは、相手を追い詰める。この線を、守ってほしい。
指摘の温度を、軽く保つ
これは大事な補足。
指摘する時、重くしない。
なんで敬語になったの、俺なんかした?と深刻に聞くと、相手が身構える。特に、好意で敬語になった場合、深刻に聞かれると、余計に隠したくなる。
軽く、冗談っぽく。あれ、急に敬語じゃん、どうしたの、くらいの温度。笑いながら言えると、なおいいね。

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