読めないから気になる、その気持ちを恋だと信じている。だから追いかけ続けて、答えが出ない
つかみどころがない人がいる。
本音が見えない。次に何を言うか読めない。距離が近いと思ったら、急に遠くなる。この人の全体像が、いつまでも掴めない。
そして、気づいたら、その人のことばかり考えてる。
なんでこんなに気になるんだろう。この人のこと、もっと知りたい
つかみどころのない相手に惹かれる。この現象には、ちゃんと理由がある。ただし、その理由を知らないまま追いかけると、答えの出ない時間を、延々と過ごすことになる。
惹かれてるのは、その人か、謎か
まず、正直に問うてほしい。
あんたが惹かれてるのは、その人自身か。それとも、その人の謎めいた部分か。
つかみどころのない人に惹かれる時、多くの場合、二つが混ざってる。その人の魅力に惹かれてる部分と、読めないという状態に惹きつけられてる部分。
この二つは、まったく違う。
その人自身に惹かれてるなら、その人のことがわかっても、好きは続く。でも、謎に惹かれてるだけなら、わかった瞬間に、興味が薄れる。
つかみどころのない人を追いかけ続けてる時、この区別がついてないことが多い。だから、答えが出ないまま、時間だけが過ぎる。
読めない状態が、脳を占拠する仕組み
もうひとつ、大事な仕組み。
人間の脳は、未完了の情報に、リソースを使い続ける。
ザイガルニック効果という現象。答えが出ないものは、頭に残り続ける。処理が完了しないから、脳が考え続ける。
つかみどころのない人は、まさに未完了の存在。この人はどう思ってるんだろう、何を考えてるんだろう。この問いが、答えの出ないまま、頭を占拠する。
占拠されてる状態を、人は、好きだと錯覚することがある。四六時中考えてる、イコール、好き、と。
でも、考えてるのは、答えが出ないから。答えが出ないものを、脳が処理し続けてるだけ。この処理の量を、感情の深さと取り違える。
つかみどころのない人を追いかけた側の話
読めない人に、二年費やした経験
私も、つかみどころのない人に、惹かれ続けた経験がある。正直に話す。
その人は、本音を見せなかった。楽しそうにしてるのか、退屈してるのか、わからない。連絡が来る時もあれば、来ない時もある。会えば優しいのに、離れると、何も伝わってこない。
私は、二年、その人のことを考え続けた。
今、何してるんだろう。私のこと、どう思ってるんだろう
毎日、分析してた。あの言葉には、どういう意味があったのか。あの態度は、脈があるのか。答えは、出なかった。
二年後、その人と、ちゃんと話す機会があった。そして、彼の本音を、少し聞けた。
その瞬間、何が起きたか。
あれ、思ってたのと違う
彼の本音を知った時、私の中の熱が、急に冷めた。私が惹かれてたのは、彼の謎めいた部分だった。彼自身のことを、私は実はよく知らなかった。知った途端、そこまで惹かれなくなった。
二年、私は何を追いかけてたんだろう、と思った。
逆に、読めなくても好きが続いた経験
でも、別のケースもある。
別の相手も、つかみどころのない人だった。読めない。本音が見えない。
でも、その人の場合、少しずつ本音がわかっても、好きが続いた。むしろ、知るほど、好きになった。
違いは何だったか。
その人の場合、読めないながらも、具体的に好きなところがあった。仕事に対する姿勢。ふとした瞬間の優しさ。物事の考え方。読めない部分とは別に、この人のここが好き、と言える部分があった。
前者の相手には、それがなかった。読めない、という以外に、好きな理由が挙げられなかった。
この差が、決定的だった。
つかみどころのなさの、三つのタイプ
つかみどころのなさにも、種類がある。正直に分ける。
感情を出すのが苦手なタイプ
ひとつ目は、感情表現が苦手なだけのタイプ。
このタイプの特徴は、感情はあるけど、表に出すのが下手なこと。表情が乏しい、言葉が少ない、リアクションが薄い。でも、行動を見ると、感情が表れてる。
時間を作ってくれる。細かい気遣いがある。誘いに応じてくれる。言葉と表情には出ないけど、行動には出る。
このタイプは、時間をかけて関われば、少しずつわかってくる。読めないのは、隠してるんじゃなく、出せないだけ。
意図的に見せないタイプ
ふたつ目は、意識的に本音を見せないタイプ。
このタイプの特徴は、誰に対しても一定の距離を保つこと。深く関わらないようにしてる。もしくは、ミステリアスであることを、意図的に演出してる。
このタイプは、時間をかけても、開かない可能性がある。本人が、開く気がないから。
そして、演出としてやってる場合、その謎めいた部分の奥に、期待するほどのものがないこともある。
本当に興味が薄いタイプ
みっつ目は、正直に言う。あんたに対して、興味が薄いタイプ。
このタイプの特徴は、他の人には本音を見せてること。あんたに対してだけ、当たり障りない反応。読めないんじゃなく、見せる必要を感じてない。
つかみどころがない、と感じてるのは、あんただけかもしれない。他の人から見ると、その人は普通に感情を出してる。
この可能性も、直視してほしい。
この三つを、どう見分けるか
見分ける鍵は、他の人への態度。
誰に対しても読めないなら、その人の性質。あんたにだけ読めないなら、あんたとの関係に、何かがある。
そして、行動を見る。言葉に出なくても、行動に感情が表れてるか。ここに、ヒントがある。
9割がやらない逆の一手は、追いかける前に自分に問うこと
じゃあどうするか。読めないから追いかけ続ける全員と逆をいく。
この人の、どこが好きかを言葉にする
具体的に言う。その人のことを追いかける前に、一度立ち止まって、自分に問う。私は、この人のどこが好きなのか。
そして、読めないところ、ミステリアスなところ、以外で、答えられるか、試してほしい。
この人の、こういう考え方が好き。こういう行動が好き。こういう部分に、惹かれてる。具体的に、言葉にできるか。
9割の人はこれをやらない。惹かれてる気持ちを、疑うことすらしないから。でも、この問いが、追いかける価値があるかを、教えてくれる。
私が二年費やした相手には、読めない以外の答えが、出せなかった。それが、答えだった。
なぜこの問いが必要なのか
なぜこれが効くか。惹かれてる理由が、はっきりするから。
具体的な理由が挙げられるなら、その人自身に惹かれてる。読めなくても、好きな理由がある。この場合、追いかける価値がある。時間をかけて、少しずつ知っていけばいい。
具体的な理由が挙げられないなら、謎に惹かれてる可能性が高い。この場合、追いかけても、答えは出ない。そして、わかった瞬間、興味が薄れるかもしれない。
この区別を、先につけておく。そうすれば、無駄に消耗する時間を、減らせる。
惹かれてる気持ちを、疑うことは、冷たいことじゃない。自分の時間と感情を、守る行為。
読もうとせず、自分から開く
追いかける価値がある、と判断したら、次の一手。
読もうとするのを、やめる。代わりに、自分から開く。
その人の本音を探るんじゃなく、あんたが自分のことを話す。今日あったこと、感じたこと、苦手なこと。相手の反応を気にしすぎず、開いていく。
なぜか。読もうとされると、人は閉じる。探られる感覚は、警戒を生む。
でも、開いてくれる人には、少しずつ開ける。ここは安全だ、という情報が届くから。
探るんじゃなく、開く。この転換が、閉じた人との関係を、動かす唯一の道。
なぜ読めない人に惹かれるのか
不確実性が、興奮を生む
心理学で、不確実な報酬が、行動を強化することが知られてる。
毎回同じ反応が返る相手より、読めない相手の方が、脳が興奮する。次はどうなるか、わからない。この不確実性が、ドキドキを生む。
このドキドキを、人は恋愛感情と錯覚することがある。
不安と、ときめきは、体の反応が似てる。心臓が速くなる、そわそわする。脳が、この不安を、恋だと勘違いする。
つかみどころのない人にドキドキするのは、恋愛感情とは限らない。不確実性への、脳の反応かもしれない。この可能性を、疑ってほしい。
投影が、理想を作り上げる
もうひとつの心理。
情報が少ない相手には、人は勝手に理想を投影する。
本音が見えない。だから、想像で埋める。きっと優しい人だ、きっと深い考えを持ってる、きっと私を理解してくれる。
この投影が、実際の相手より、魅力的な像を作り上げる。
そして、実際に知った時、そのギャップに落胆する。私が二年後に感じたのが、これだった。
つかみどころのない人に惹かれる時、その人自身じゃなく、投影した理想に惹かれてる可能性がある。この区別が、大事になる。
ザイガルニック効果、答えが出ないから考え続ける
もうひとつ、大事な話をする。
答えが出ない問いは、頭に残り続ける。この人はどう思ってるんだろう、という問いが、ずっと処理され続ける。
この処理の量を、人は、感情の深さと取り違える。四六時中考えてる、だからこんなに好きなんだ、と。
でも、考えてるのは、答えが出ないから。処理が完了しないから、脳が考え続けてるだけ。
答えが出れば、処理が終わる。処理が終わった時、まだ好きなら、それは本物。処理が終わった途端に興味が薄れるなら、それは謎への執着だった。
だから、答えを出すことが、自分の気持ちを確かめることにもなる。
覚悟すべきリスク、追いかけることの注意点
いつまで追いかけるか、期限を決める
これははっきり言う。
つかみどころのない人を追いかけるなら、期限を決めてほしい。
読めないまま、何年も追いかけると、消耗する。私が二年費やしたように。
目安として、数ヶ月、自分から開き続けて、相手が少しも開かないなら、その相手は開かないかもしれない。もしくは、あんたに対しては開く気がないのかもしれない。
期限を決めておくことで、無限に消耗することを、防げる。
追いかけることには、価値がある。でも、無期限に追いかけることには、価値がない。
読めないことを、魅力と混同しない
これは大事な補足。読めないこと自体は、魅力じゃない。
ミステリアスであることが、その人の価値じゃない。読めないという状態が、あんたの関心を引いてるだけ。
その人の中身に、惹かれる要素があるか。ここを、冷静に見てほしい。
読めない、という一点だけで追いかけてるなら、それは、その人への好意じゃなく、謎への執着。この区別を、忘れないでほしい。
わかった時に、まだ好きかを確かめる
最後に、これだけ言っておく。
つかみどころのない人が、少しずつわかってきた時。
その時に、まだ好きかどうかを、確かめてほしい。
わかっても好きなら、それは本物。その人自身に、惹かれてた。
わかった途端に興味が薄れたなら、それは謎への執着だった。それも、悪いことじゃない。ただ、自分の気持ちの正体が、わかったというだけ。
どちらでも、答えが出ることに価値がある。答えが出れば、次に進める。
あの時、二年追いかけた相手の本音を知った瞬間、熱が冷めた。私が惹かれてたのは、彼じゃなく、彼の謎だった。この事実に気づいた時、少し虚しかった。でも、気づけてよかった。
つかみどころのない人に惹かれて、追いかけようとする前に。この人のどこが好きか、読めないところ以外で、言葉にしてほしい。その答えが、追いかける価値があるかを、教えてくれる。

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