追うのをやめて引けば向こうから来る、世間はそう言う。だからまた別の人を追い始める
いつも自分から連絡してる。いつも自分から誘ってる。既読が数時間つかないだけで不安になる。向こうの予定に自分を合わせて、向こうの返信テンポに自分を合わせて。
なんで私ばっかり…
で、恋愛サイトを開けば書いてある。追いすぎてる、引いてみて、相手を不安にさせれば向こうから追ってくる、と。
やってみる。一日返信を我慢する。自分からは誘わない。でも三日後には結局送ってる。向こうが少しでも優しくすると、また全力で追い始める。
追う恋愛を卒業できない人の9割は、この引くフリを繰り返してる。引くフリは卒業じゃない。追う恋愛の別バージョンに過ぎないから。理由を話す。
引くフリという名の、別の追い方
引いてみる、という行動の本質を考えてほしい。
相手の反応を引き出すために、わざと距離を置く。これ、相手の行動を変えようとしてる点で、追うことと同じ構造。やり方が能動から受動に変わっただけで、全神経が相手の動向に注がれてるのは変わらない。
引いてる間も、スマホを三十分おきに確認してる。向こうから連絡が来るかどうか、じっと待ってる。向こうが動いたかどうかで一日の気分が決まる。
これ、追うのをやめた状態? 全然違う。追うエネルギーの向け先が、送ることから待つことに変わっただけ。相手が生活の中心にいる構図は、何も変わってない。
追う恋愛が終わらない本当の理由
追う恋愛をやめられない人には、共通した状態がある。
相手のことを考える時間が、自分の生活より大きくなってる。相手の返信があるかないかで、その日の気分が決まってる。相手の動き次第で、自分の予定が変わる。
自分の生活の中心に、相手がいる。この状態のまま引くフリをしても、内側は全部相手に向いてる。演技だから。
追う恋愛を本当に卒業するには、引くフリじゃない。自分の生活の中心を、相手から自分に戻すこと。これが唯一の出口さ。
追う恋愛がやめられない、その中毒性の正体
なぜ追う恋愛がやめられないか。心理の話をする。
スロットマシンと同じ構造、間欠強化という罠
追う恋愛にハマる人が追ってる相手には、ほぼ共通したパターンがある。
たまに優しい。たまに素直になる。たまに向こうから連絡してくる。でも基本は反応が薄い、もしくは遅い。
心理学に間欠強化という概念がある。毎回ご褒美が出るより、たまにしか出ない方が行動が強化される、という現象。スロットマシンが一番わかりやすい例で、毎回は当たらないのにやめられないのは、たまに当たるから。
追ってる相手が毎回無視するなら、人は早めに諦める。でもたまに優しくされると、次こそ、また次こそ、とやめられなくなる。追う恋愛の中毒性はこの構造から来てる。相手が意図的にやってるかどうかは関係ない。結果として、その構造ができあがってる。
追う恋愛に疲れてる人が疲れてるのは、追いすぎてるからだけじゃない。間欠強化の罠にハマって、自分でもやめ方がわからなくなってるから。
追われたいはずなのに、なぜいつも追う側になるのか
私の話をする。恥ずかしいけど。
二十代の私は、完全にこれだった。追う恋愛を毎回繰り返してた。好きになる相手がいつも、感情表現が薄いか、返信が遅いか、どこかはっきりしない人だった。
ある時気づいた。素直に好きって言ってくれる人には、なぜかときめかない。追いかけてくれる人には、なんか違うと感じる。逆に、こっちの気持ちに無関心な人に限って、ものすごく気になる。
あれ、私が好きなのって、この人じゃなくて追う体験そのものなんじゃ…?
そう気づいた時、自己嫌悪がすごかった。でも同時に、なんで終わらないかの理由がやっとわかった気がした。追う恋愛がやめられないのは、追う体験そのものに依存してたから。相手が誰かじゃなくて、追うという行為に引っ張られてた。
9割がやらない逆の一手は、引くフリじゃなく追う必要がない状態を作ること
じゃあどうするか。引くフリと全然違うことをやる。
追う衝動が生まれた瞬間に、向ける先を変える
具体的に話す。
LINEを送りたい衝動が来た瞬間に、送らない。ただし、我慢して引くフリをするんじゃない。その衝動のエネルギーを、別の場所に向ける。
友達に連絡する。積んでた本を開く。行きたかった場所に一人で行く。体を動かす。なんでもいい。相手以外のことに、その瞬間のエネルギーを使う。
これを繰り返すことで何が起きるか。だんだん、相手のことを考えてる時間が減っていく。減るんじゃなくて、他のことが増えるから相対的に減る。この違いが、引くフリとの決定的な差。引くフリは相手を考えながら我慢する。これは相手以外のことを増やして、自然と相手の占有率を下げる。苦しさの質が全然違う。
相手じゃなく自分の生活を先に満たす
根本的な話をする。
追う恋愛に陥りやすい人の多くは、好きな人ができた瞬間に自分の生活の密度が下がる。会いたい、連絡したい、気になる、が生活の隙間を全部埋めてしまう。
逆をやる。好きな人ができた時こそ、自分の生活の密度を上げる。仕事に集中する。趣味の時間を増やす。友達との予定を入れる。
相手を遠ざけるためにやるんじゃない。自分の生活が本当に面白くなると、相手への執着の温度が自然に変わる。連絡したい衝動が減る。相手の返信がなくても、それほど気にならなくなる。演技じゃなく本物の変化として。
9割の人はここで相手に合わせた生活を送る。だから相手の動向に全部引きずられる。逆をやる人は、自分の生活を先に持っておく。結果として、引きずられない。
なぜこの逆張りが追う恋愛を終わらせるのか
心理の裏付けまで話す。
空腹でスーパーに行くな、という原則
空腹でスーパーに行くと、必要以上に買う。全部美味しそうに見えるから。でも満腹で行くと、本当に欲しいものだけを選べる。
恋愛も同じ。自分の生活が空っぽな状態で好きな人ができると、その人への渇望が異常に強くなる。埋めてほしい空洞があるから、追わずにいられない。
自分の生活を先に満たした状態で好きな人ができると、渇望の温度が違う。この人といると面白い、会いたい、という気持ちは本物のままある。でも、いなくても生きていける、という安定が土台にある。
この土台があると、追わなくても関係が動く。土台のある人からの一言は重みが違うから。相手に合わせてばかりいる人の言葉より、自分の世界を持ってる人からの言葉の方が、届く力がある。
本当に満たされた人には、追う必要が生まれない
追う恋愛から卒業できる人の共通点は、追わなくてもいい状態を自分で作れてる人。
この人に連絡しなかったら、今日何をするんだろう。その答えがたくさん出てくる人は、追わない。連絡しないと暇で不安になる人は、追う。
追う恋愛から卒業するための本質は、自分の生活を本当に面白くすること。恋愛テクニックの話じゃない。生き方の話。でもそれが一番、恋愛の構造を変える。
覚悟すべきリスク、卒業には手放すものがある
ここも隠さない。
今追ってる相手は、離れるかもしれない
追うのをやめた瞬間に、今追ってる相手との関係が終わる可能性がある。
相手が関係を続けてこられたのは、あんたが全部動いてたから。あんたが動かなくなった時に、相手が動けるか。動けない相手なら、関係はそこで止まる。そのまま自然消滅する。
これは卒業のコストとして受け入れて。追う恋愛を続けることと、今の相手との関係を続けることが、セットになってる可能性がある。セットをほどくと、相手との関係も変わるかもしれない。
ただ、あんたが全部動いて成立してた関係が、本当に欲しかった関係だったか。そこだけは確認しておいて。
追うのをやめた後に来る空白の時間
これが地味にきつい。
追うのをやめると、相手のことを考えてた時間と行動してた時間が、突然空く。その空白が最初はとても不安になる。また連絡したくなる。何かしなきゃいけない気がする。
その空白を、相手以外のことで埋めていく時間が必要。最初の数週間が一番しんどい。追う恋愛の卒業は、ダイエットに似てる。最初の習慣が抜ける時期が一番きつくて、そこを超えると景色が変わる。
卒業した先で待ってるのは、あんたが全部動かなくても向こうも動いてくる関係。そういう相手と出会えた時に初めて、追う恋愛に費やしてきたエネルギーが何だったか、わかる。

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