付き合った後はそっけなくして主導権を握れ、世間はそう言う。だから付き合った途端に別人になって関係が壊れる
付き合う前は自然にできてた。返信も普通に返してたし、会いたい時は会いたいと言ってたし、楽しかったら楽しいと言ってた。
でも付き合った瞬間から、なんか戦略を入れたくなる。
LINEはそっけなくした方がいい。即レスしたら追われなくなる。主導権を握らないと後で逆転される。たまに冷たくして不安にさせた方がいい。そういう情報を読んで、実行しようとする。
付き合えたんだから、ここからが本番。ちゃんと追わせないと
でもこの瞬間から、関係が少しずつ歪み始めてることに、気づいてない人が多い。
付き合った後の急変が、信頼の土台を削る理由
彼が付き合う前に好きになったのは、付き合う前のあんた。
返信が自然で、楽しい時は楽しそうで、会いたい時は会いたいと言ってた、あんた。その自然さに惹かれて、付き合おうと思った。
付き合った瞬間にLINEがそっけなくなった。返信が急に遅くなった。態度が少し変わった。彼の頭の中で、何かが引っかかる。あれ、なんか変わった? って。
変わった理由を彼は知らない。戦略でやってることを彼は知らない。彼が受け取る情報は、付き合う前と後でこの人が変わった、という事実だけ。
この変化が、信頼に小さなひびを入れる。好きになった人と、付き合い始めた人が微妙に違う、という感覚。この感覚は消えにくい。
主導権を握ろうとすること自体が、主導権を手放してる構造
もっと根本的な問題を話す。
主導権を握ろうとしてる状態は、相手の動向が気になってる状態。彼が追ってくるかどうかを確認してる状態。そっけなくした後に彼がどう反応するかを見てる状態。
これ、主導権を持ってる側の状態じゃない。相手の反応に依存してる状態。
本当に主導権を持ってる人は、相手が追ってくるかどうかをあまり気にしてない。自分の生活があって、その中に彼との時間がある。彼が追ってこようと来まいと、自分の生活は普通に回ってる。
主導権は握るものじゃない。自分の生活を持ってる人間に、自然についてくるもの。握ろうとしてる時点で、すでに手放してる。
付き合った後に主導権を握ろうとして、関係を壊した話
戦略を入れた瞬間から、不自然になった
二十代後半に、三ヶ月追いかけてようやく付き合えた人がいた。
付き合った瞬間に、読んでた恋愛本の言葉が頭に浮かんだ。付き合った後こそ気を抜くな。追われ続けるためにはそっけなさが大事。主導権は付き合い始めの数週間で決まる、と。
やった。
それまで普通に返してたLINEを、わざと二時間後にした。それまで素直に言ってた会いたいを、彼から言わせるまで言わないようにした。デートで楽しくても、少し抑えるようにした。
完璧にやれてる。これで追わせられる
三週間後、彼に言われた。最近なんか変じゃない? って。
固まった。
変かどうかを聞かれて、戦略でやってますとは言えない。なんでもない、と言い訳した。でも彼の顔が少し引いてた。
その後、関係のトーンが微妙に変わった。付き合う前より、距離が縮まってない感じがした。三ヶ月かけて縮めた距離を、戦略の三週間で戻してしまった気がした。
そっけなくしてる間、自分の感情がどこにあったか
あの三週間を振り返ると、本当に惨めだった。
そっけなくしながら、彼の反応を確認し続けてた。返信が遅くなったかどうか。既読から返信までの時間が変わったかどうか。デートへの誘いが増えたかどうか。全部が彼の反応への確認作業だった。
これ、付き合ってるのに付き合う前より彼のことを気にしてる…
そっけなくすることで追わせようとしてたのに、追ってるのは私だった。相手の反応を確認し続けてる側が、追ってる側。主導権を握ろうとして、完全に相手起点の状態になってた。
戦略ってそういうもの。相手の動向を観察して、相手の反応に合わせて行動する。これ、構造として相手が主導してる。戦略を使ってる側が、実は追ってる側になってしまう逆転が起きてた。
彼氏が自然に追ってくるようになった、別の関係の話
戦略を何もやらなかった関係が、一番うまくいった理由
その後、別の人と付き合う機会があった。
前の失敗があったから、今回は戦略を入れないと決めた。返したい時に返す。会いたい時は会いたいと言う。楽しい時は楽しいと言う。そっけなくしようとしない。
怖かった。追われなくなるんじゃないか、主導権を失うんじゃないか、という不安があった。でもやった。
結果、向こうが自然に追ってきた。
なぜかを考えた。
私が返したい時に返してたから、彼は私の返信のタイミングが読めなかった。私が自分の予定を先に持ってたから、会える時間が限られてた。私が楽しい時は楽しいと言ってたから、楽しくない時との差がわかった。
戦略なしの自然な状態が、結果として彼の頭の中に予測不能性を作ってた。予測できない相手に、人は頭を使い続けてしまう。頭を使い続けた先に、気になってしまうという感情が生まれる。
主導権を握ろうとしなかった関係が、一番自然に追われる関係になった。
彼女から直接聞いた、追ってる側の感覚
友人の話をする。彼女は主導権を自然に持ってる人で、いつも彼氏から追われてる側にいた。
どうやってるの? と聞いたことがある。
返ってきた答えが、何もやってないよ、だった。
もう少し詳しく聞いた。
彼と過ごす時間は好きだけど、彼がいない時間も普通に好き。友達と会う時間も好きだし、一人でいる時間も好き。彼からのLINEは来たら返すけど、待ち構えてない。彼の都合に全部合わせようとしない、自分の予定は自分の予定として持ってる。それだけ、と言ってた。
それだけ、か…
戦略ゼロ。LINEをそっけなくしようとしてない。主導権を握ろうとしてない。ただ自分の生活を持ってる。その結果として、彼が追ってくる状態になってた。
あんなに頑張って戦略を入れてた私と、何もやってない彼女の差がここにあった。
9割がやらない逆の一手は、彼を追わせようとすることをやめて自分の生活を先に持つこと
じゃあどうするか。LINEをそっけなくする全員と逆をいく。
付き合った後に、やめることとやること
やめること。LINEの返信を計算で遅らせること。感情を抑えようとすること。彼の反応を確認し続けること。主導権を握るための行動をすること。
やること。返したい時に返す。楽しかったなら楽しかったと言う。自分の予定を先に入れる。彼と関係ない時間を充実させる。
シンプルに見える。でもやってる人はほとんどいない。
特に、自分の予定を先に入れる、が一番効く。付き合った後に、彼の都合に全部合わせようとしてしまう人が多い。合わせてしまうと、彼の中で私はいつでも会える人になる。いつでも会える人への執着は、薄くなる。
自分の予定を先に持ってると、彼が誘ってきた時に都合が合わない日が自然に出てくる。その日は正直に、その日は予定があって、と返す。計算で断るんじゃない。本当に予定があるから断る。この本物の断りが、いつでも会えるわけじゃない、という感覚を彼の中に作る。
LINEそっけなさを演じるより、自然に遅くなる状態を作る
LINEの返信を計算で遅らせるんじゃなく、返せない状態を自然に作る。
友達と会ってる時間は返さない。好きなことに集中してる時間は返さない。寝てる時間はもちろん返さない。これは戦略じゃない。ただ自分の生活のリズムがあるから、そのリズムの中で返せる時に返す。
この自然な遅さと、計算した遅さでは、受け取った彼の感覚が全然違う。自然な遅さからは、この人は自分の時間を生きてる、という情報が届く。計算した遅さからは、待たせようとしてる、という情報が届く。
同じ遅さでも、届く情報が逆になる。届く情報が逆になると、彼の反応も逆になる。
主導権の実態は、感情の主導権のこと
主導権を握りたい、という言葉の正体を分解してみる。
多くの場合、主導権を握りたいの本音は、振り回されたくない、傷つきたくない、相手の感情に一喜一憂したくない、ということ。
これ、感情の主導権の話。関係の感情的な部分で、相手に依存したくない。
感情の主導権は、LINEをそっけなくしても手に入らない。手に入るのは、自分の感情の調節を相手に依存してない状態を作ることでだけ得られる。
彼から返信が来なくても、今日が普通に楽しかった。彼から誘いが来なくても、今週の予定は充実してる。彼の動向で一日の気分が決まらない。この状態が、本物の感情の主導権。
LINEそっけなさで彼の感情を操作しようとするより、自分の感情を相手に依存しない状態を作る方が、ずっと本質的な主導権になる。
なぜ自分の生活を持つことが主導権を生むのか
自己決定感、選んでる側と選ばれてる側の差
付き合った後も、彼が選ぶ体験を積み重ねられるかどうか。これが主導権の実態。
あんたが彼の都合に全部合わせてると、彼は選ばない。向こうが来てくれるから、ただ受け取るだけ。選ばない関係には、執着が育ちにくい。
あんたが自分の予定を持ってると、彼は会いたければ自分から誘う必要がある。自分から誘って、会えた体験が積み重なると、俺がこの人を選んでるという感覚が育つ。自分で選んでいる感覚のある関係に、人は執着する。
選ばせてあげる、という逆張り。LINEをそっけなくして焦らせるんじゃなく、選ぶ余地を自然に渡す。これが付き合った後の主導権の正体。
一緒にいて安心させることと、一緒にいたいと思わせることは別物
付き合った後に多くの女性がやることがある。彼を安心させようとすること。
いつでも返信する。誘いには全部応じる。彼の予定を優先する。彼が不安にならないようにする。これが愛情だと思ってやってる。
でもここに罠がある。
安心しきった彼は、あんたのことを考えなくなる。考えなくても関係が続くとわかってるから。考えない相手を追いかけることは、しない。
一緒にいたいと思わせる、は安心させることと違う。一緒にいたいと思わせるのは、一緒にいない時間に彼の頭の中であんたの存在が動いてる状態を作ること。
安心しきった状態では、頭の中で動かない。少し読めない、少し届きにくい、少し予測できない状態の方が、頭の中で動き続ける。この差が、付き合った後の温度を決める。
付き合う前と後で変わらないことの、圧倒的な説得力
もうひとつ、大事なことを話す。
付き合う前と後で変わらない、というのは最強の主導権の形。
付き合う前に彼が好きになったのは、自分の生活を持ってるあんた。友達との時間を大切にして、好きなことに熱中して、楽しい時は楽しいと言って、嫌なことは嫌と言ってた、あんた。
付き合った後も同じあんたでいることが、彼が好きになったものを保ち続けること。これが一番シンプルで、一番難しくて、一番効く。
変わらないためには、付き合ったことで自分の生活を変えないこと。友達との時間を減らさない。好きなことを手放さない。彼のために全部を調整しない。これが変わらないでいるための具体的な行動。
変わらない人間は、追い続けたくなる対象として記憶に残り続ける。
覚悟すべきリスク、自分の生活を持つことで起きること
彼が不安になる時期がある
自分の予定を先に持つようにすると、彼が誘っても都合が合わない日が増える。彼から見ると、急に予定が合いにくくなった、と感じる可能性がある。
これを冷めた証拠だと解釈する彼なら、直接聞いてくる。なんか最近忙しい? とか、俺のこと大丈夫? とか。
この時に、素直に答える。友達と会う約束が続いてて、でもあなたのことは好きだよ、と。嘘じゃない。本当のことを言うだけ。計算で忙しいフリをしてるんじゃなく、本当に予定があるから。その正直さが、彼の不安を解消する。
不安にさせることと、不安を利用することは別物。不安にさせた後にちゃんと受け取る、という誠実さが、関係の信頼を作る。
自分の生活を取り戻す過渡期のしんどさ
付き合ってから彼中心の生活になってしまってた場合、自分の生活を取り戻す過渡期がある。
友達との連絡が途絶えてたなら、また繋ぎ直す必要がある。趣味を手放してたなら、また拾い直す必要がある。自分が楽しいことが何だったかを、思い出す時間が必要なこともある。
この過渡期は地味にしんどい。彼のことを考えてた時間が空くから、最初は手持ち無沙汰になる。でもその空いた時間を自分のもので埋めていくと、じわじわ変わってくる。
変わってきた頃に、彼の動きが変わってくることが多いから。

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