ナチュラルに人を見下す人の正体、9割が気づかない自分の中のそれ

悪気がない。本人は親切のつもり。
それ知らないの?とか、まだそんなことやってるんだ、とか。会話の後に、なぜか少しだけ削られている感覚が残る。
帰り道で思い出して、また削られる。言い返せばよかった。

目次

気にしないという対処が、いちばん機能しない

あの不快感は、こちらが敏感なせいじゃない

気にしすぎ、と言われた経験がある人は多いはず。実際、指摘しても、そんなつもりじゃない、で終わる。
だから自分の感じ方の方を疑い始める。私が卑屈なだけかもしれない、と。
違う。ナチュラルに見下す発言には、共通の形があるのよ。
評価が勝手に混ざってる。事実の指摘に見せかけて、上下の判定が入ってる。
それ、まだ紙でやってるんだ。え、行ったことないの?意外と美味しいじゃん。頑張ってるね、その年で。
どれも褒め言葉や感想の顔をしてるでしょ。でも中に、自分が上にいるという前提が埋まってる。
検出できるのは受け手だけ。だから、言った本人に自覚が生まれないのよ。

放置すると、なぜ蓄積するのか

一発の威力は小さい。だから、その場では流せる。
問題は回数なの。週に三回、半年続けば七十回を超える。一つ一つは指摘するほどでもない、という判断が、七十回積み上がった状態になる。
そして、ある日どうでもいい一言で爆発する。相手から見れば、突然キレた人。あなたから見れば、半年ぶんの最後の一発。
このズレが、いつも人間関係を壊す。溜めた我慢は、必ず一番みっともない形で出るのよ。
気にしないという方針は、その爆発までの時間を延ばしているだけ。解決してない。

見下す人の内側で、何が起きているのか

優越感じゃなく、不安が動力になっている

本当に自分に自信のある人は、他人を測らない。測る必要がないから。
ナチュラルに人を見下す癖がある人の内側にあるのは、優越感じゃなく不安なのよ。
自分の位置が確定していないから、誰かと比べないと現在地が分からない。だから常に測ってる。相手の年収、学歴、経験、持ち物、恋愛の状況。無意識に採点して、自分の位置を確認してる。
そして、少しでも上だと判定した瞬間、それが言葉として漏れる。悪意ゼロで漏れる。本人にとっては、ただの現在地の確認だから。
これが分かると、対処が変わるのよ。あの発言は攻撃じゃない。相手が自分の不安を処理している音なの。

だから、真正面から反論しても効かない

反論すると、相手は防御に入る。防御に入った人間は、さらに測り始める。
そんなつもりじゃないよ、被害妄想じゃない?と返ってくる。この時点で、あなたが過剰反応した人にされる。
言い争って勝てないのは、あなたの言葉が弱いからじゃない。相手が自覚していないものを、自覚のない相手に証明させようとしてるからなのよ。無理な構図でしょ。

誰もやらない一手、評価を無効化して返す

実際に使う言葉

今日いちばん持ち帰ってほしいところ。
9割の人がやるのは二択。流すか、言い返すか。
中間を使いなさい。相手の言葉から、評価の部分だけを抜いて、事実として返す。
それ、まだ紙でやってるんだ、と言われたら。うん、紙。
え、行ったことないの?には。ないよ。
その年で頑張ってるね、には。ありがとう、頑張ってる。
これだけ。
反論しない。同意もしない。含まれていた上下の判定だけを、受け取らずに返す。

なぜ、この返しが効くのか

あの手の発言は、相手の反応を燃料にしてるのよ。
卑屈に笑う、慌てて言い訳する、ムッとする。どれも、上下の判定を受け取ったという合図になる。合図が返ってくると、相手の中で位置が確定する。だから繰り返す。
評価を抜いて事実だけ返すと、その合図が出ない。相手は測定に失敗するのよ。
測定に失敗すると、人はその相手を測るのをやめる。効率が悪いから。
実際、私はこれを職場で三ヶ月続けた。相手の発言が減った。私だけ、言われる回数が明らかに減ったのよ。
言い返した同僚は、言われ続けてた。反応が返ってくる相手の方が、測りやすいから。

覚悟すべきリスク

この返し方は、冷たいと受け取られることがある。
会話が続かないから、相手によっては、あの人は感じが悪い、という評価になる可能性がある。
それと、相手が上司や取引先の場合、無感情な返しが反抗と受け取られる場面もある。
そこは温度で調整して。笑顔で、軽く、事実だけ返す。感情を込めないのが肝心なところ。冷たくするんじゃなく、無風にする。

ここからが本題、あなたの側にそれがある場合

自分は違う、と思った人ほど読んで

ここまで読んで、腹が立つ人の顔を思い浮かべてたでしょ。
私も昔そうだった。あの人本当に感じが悪い、と思いながら生きてた。
30を過ぎて、後輩に言われたのよ。悪気ないのは分かるんですけど、たまに刺さります、と。
は?私が?
心当たりが全くなかった。だからこそ怖かった。ナチュラルに見下す人に自覚がない、という話を、私は自分のこととして受け取っていなかったのよ。
その日から自分の発言を記録した。三日で分かった。私は、驚くという形で見下してた。
えっ、知らないの?という反応。あれ全部、相手が知らないことを異常として扱ってる。
悪意はなかった。本当になかった。でも、届いていたのは悪意と同じ形をしたものだった。

自分の中のそれを検出する、三つの質問

一つ、驚くという反応をどれくらい使ってるか。えっ、から始まる言葉が多い人は要注意。驚きは、相手を標準から外れた存在として扱う行為なのよ。
二つ、褒め言葉に条件がついていないか。その年で、女性なのに、あの状況なのに。この前置きは、全部が減点済みの評価。
三つ、アドバイスを求められていない場面で助言していないか。助言は、相手が自分より分かっていないという前提の上でしか成立しない。
この三つに心当たりがあるなら、あなたも測ってる側にいる。私がそうだった。

直し方は、言葉じゃなく前提を変える

言い方を変える努力は、あまり続かないのよ。根っこが同じだから、別の形で漏れる。
効いたのは一つだけ。相手が知らないことを見つけた時に、その人が代わりに知っていることを一つ探す習慣。
測る癖は消せない。だったら、測る方向を増やす。
これをやると、驚くという反応が減る。相手が下にいるという判定が出なくなるから。
不安が動力だと書いたでしょ。動力は消せないの。使い道を変えるしかない。

離れるべき相手と、続く相手

最後に線を引いておく。
指摘した時に、そんなつもりじゃない、で終わらせて何も変えない人。この人とは距離を取っていい。
指摘した時に、一瞬固まって、その後に発言が減る人。この人は自覚していなかっただけ。関係は続けられる。
違いが出るのは、指摘された後の数週間なのよ。謝罪の言葉より、行動の変化を見なさい。
それと、あなた自身が指摘された時。防御したくなるのは分かる。私も最初は、そんなつもりじゃない、と言った。
言った後に思い出したのよ。あの言葉を言われた側だった時期のことを。
今日確かめるのは二つ。誰かの発言で削られているなら、次から評価を抜いて事実だけ返す。
それから、この三日間の自分の発言を思い出して、えっ、から始めた回数を数えてみなさい。
数えた人だけが、測る側から降りられるから。

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