バイトの好きな人とシフトが合わない人へ。会えない時間の使い方

シフト表が貼り出された瞬間、まず探すのはあの人の名前。
今月も、被ってるの二回だけ。
はぁ、と息が漏れる。なんでこんなに会えないんだよ
それでシフト希望をこっそり合わせにいく。世間の答えはこれ一択。会える回数を増やせ、接触を増やせば好かれる、と。
私は逆を勧める。会えない時間こそ、この恋の主戦場なんだよ。

目次

シフトを合わせにいく行為が、最初の負けを作る

接触回数を増やせば好かれる、という話の落とし穴

何度も顔を合わせるほど好感度が上がる。これは心理学で言われる通りで、嘘じゃない。
ただし条件がある。相手にとって、あなたが不快でも無でもないこと。
まだ何も印象がない状態で回数だけ増やすと、どうなるか。よく見かける人という枠に固定されて終わる。
バイト先には同じ制服を着た人間が何人もいる。その中で顔を合わせる回数だけを増やしても、背景の一部として定着するだけなんです。

シフトを合わせた三ヶ月が、何も生まなかった話

学生の頃、私はカフェで働いていた。
好きになったのは、土日の遅番にばかり入る一つ上の男の子。私は平日メイン。ほとんど被らない。
だから店長に頼み込んで、土日の遅番に移った。ドリンクの担当も変えてもらった。同じ時間、同じ場所、同じ空気。
三ヶ月後、何が起きたと思う?
何も起きなかった。
彼は私のことを、土日にいる後輩として完璧に認識していた。それ以上でも以下でもなく。
今なら分かる。私は会う回数だけを増やして、会っている時間の中身を一ミリも変えなかった。だから濃度が薄いまま量だけ増えて、日常に溶けた。
そして地味に効いたのが、シフトを寄せた不自然さ。休憩室で「最近シフト変えたよね」と別の子に聞かれて、心臓が止まりかけた。バレる時って、狙った相手以外から先にバレるんだよね。

逆の一手、被る日を増やさず、被った日だけ別人になる

シフトはいじらない。月に二回でいい。
そのかわり、被った二回だけは他の日と完全に別の働き方をする。
具体的には、その人にしか出せない話題を一つだけ用意して入ること。
先週この人がやっていたこと、こぼしていた一言、扱いに困っていた作業。それを覚えておいて、次に被った日に一度だけ触れる。
「この前言ってたレジの締め、あれ結局どうなりました?」
たったこれだけ。でも相手の脳には、覚えていてくれた人として刻まれる。
週五で会う同僚は、誰も相手の発言を覚えていない。覚えているのは、会えない人だけなんだよ。ここが逆転のポイント。

この一手のリスク

覚えていることを出しすぎると、監視されている感覚を与える。
一回のシフトで一つまで。プライベートに踏み込んだ内容は避けて、仕事の中で出た話に限る。
そこを守れないなら、ただの重い人になって終わり。

会えない期間は、忘れられる時間じゃない

毎日会う相手より、たまに会う相手のほうが記憶に残る理由

人の記憶は、間隔を空けて繰り返されたものを強く残す。詰め込みより分散のほうが定着するって、勉強で経験あるでしょ。
毎日顔を合わせる相手は、脳が処理を省略する。もう知っている情報として扱われるから、一回ごとの印象が薄まっていく。
二週間ぶりに会う相手は、そうはいかない。脳が改めて情報を取りにくる。
つまりシフトが合わないという条件は、記憶の残り方でいえば有利な側にある。
知らないから、みんな会いに行こうとする。

空白の間に、相手はあなたを補完している

情報が足りない相手について、人は勝手に想像で埋める。
悪い印象がなければ、この補完はだいたい好意的に働く。会わない時間は、相手の中であなたが少しずつ良く仕上がっていく時間でもある。
だからこそ、会えない焦りで下手に接触を増やすと、その補完を自分で壊すことになるんです。

連絡を取りたいなら、用事を作らずに一行だけ送る

用事を装ったLINE、全部バレてます

シフト合わないから連絡先で繋ごう。ここまでは正しい。
問題はその後。9割の人が、用事を作ってから送る。
明日のシフトって何時からでしたっけ。あのマニュアルどこにありました?
シフト表を見れば分かることを聞く時点で、目的は透けている。
そして用事で始まった会話は、用事が済んだら終わる。当たり前です。用件が終わったのに続ける理由がどこにもないから。

逆の一手、目的のない一行を、返信を求めない形で送る

私が勧めるのは、こういうやつ。
「今日のシフト、レジ一人で回してて普通に地獄だった。あの人がいる日はほんと楽だったんだなって思いました」
質問がない。返事をしなくても失礼にならない。
なのに相手は、自分がいない場所で自分の話をされていたことを知る。
ここが効く。人は、自分の不在が誰かに影響していたと知った瞬間、その相手を意識し始める。存在の証明を渡されるようなものだから。
返信を求めないから相手の負担もゼロ。それでも高確率で返ってくる。返さないほうが不自然なくらい、感じのいい一行だからね。

やってはいけない送り方

毎回これをやると、狙いが見える。
月に一回か二回。しかも本当にそう思った日にだけ送ること。嘘で作った文章は、なぜか読めば分かる。
既読無視されたら、二通目は送らない。追いかけた時点で、この一手の魅力は消える。

シフトが被らない相手と、店の外で会う口実

二人で会おうと誘うから断られる

勇気を出して誘う。ごはん行きませんか、と。
バイト先の関係でこれをやると、相手は一気に構える。断った後に同じ職場で顔を合わせる気まずさを計算するから。
つまり、あなたが誠実であるほど相手のリスクが上がるという矛盾。

逆の一手、三人で誘って、当日一人を消す

これは策略に聞こえるかもしれないけど、違う。
最初から三人で誘って、本当に三人で行けばいい。二人きりを狙わないという意味です。
複数なら相手は断る理由を探さなくていいし、参加のハードルが一段下がる。
そして三人の場では、あなたが誰と話しているかを相手が観察する。あなたが他の人と楽しそうにしている姿。これが効くんだよ。
二人きりだと、相手はあなたを評価する立場に立つ。三人以上だと、相手はあなたを観察する立場になる。この違いは大きい。
恋愛感情って、評価している時じゃなく観察している時に芽生えるものだから。

この方法の限界

三人で行っても、そこから先に進むのは自分次第。
複数の場は安全だけど、安全なだけでは何も決まらない。
三人で二回会ったら、三回目は二人で誘う。ここは腹をくくる場面。

シフトを合わせる交渉は、最後に一度だけ使う

合わせるなら、こっそりじゃなく堂々と

最初にシフトを寄せるのは損だと書いた。ただし、使いどころが一箇所ある。
関係がある程度できてから、本人に直接言う場合。
「来月このへん入れそうなんですけど、被る日ありますか」
店長経由でこっそり合わせるのと、意味がまるで違う。本人に聞いた時点で、会いたいという意思が伝わるから。
そしてここで相手が調整に乗ってきたら、それはもう答えなんですよ。言葉より正直な返事でしょ。

乗ってこなかった場合の読み方

曖昧に流されたら、それも答え。
シフトは誰にとっても調整できる余地がある。乗らないのは、優先度がそこまで高くないというだけ。
残酷だけど、ここで見切りをつけられる人は次に進める。

会えない期間に、相手より自分を動かす

待つ時間を、仕上げる時間に変える

シフトが合わない一ヶ月。この時間で何をするか。
多くの人は、シフト表を眺めて落ち込むことに使う。(今月も二回か……)
私が勧めるのは、次に会った時に相手が驚く変化を一つ作ること。
髪でもいいし、仕事の速さでもいい。バイト先なら後者のほうが強い。
二週間ぶりに会った相手が、明らかに前より仕事ができるようになっている。この落差は、毎日見ている人には作れない。

会えない条件を、そのまま武器に変える

毎日会う人は、変化を刻まれない。少しずつ変わるから、気づかれない。
たまにしか会わない人だけが、落差を見せられる。
シフトが合わないのは不利な条件じゃなく、演出の材料なんだよね。
9割はこれを不運として嘆く。嘆いている間に、条件を使う側に回った一人が持っていく。

やってはいけない相手と、引き際

店長の権限と、相手の生活を巻き込まないこと

シフトはお金と生活に直結する。
自分の好意のために相手のシフトを動かそうとするのは、越えてはいけない線。店長に頼んで相手の勤務を変えてもらう、なんてのは論外です。
動かしていいのは自分の予定だけ。ここは常識の逆をやる場所じゃない。

三ヶ月で結論を出す

連絡が続かない。複数の場に誘っても来ない。シフトの話にも乗らない。
三つ揃ったら、そこで終わり。
バイトは辞めれば会えなくなる関係だから、長引かせるほど失うものが増える。働きにくくなって、シフトが憂鬱になって、最後は職場ごと嫌いになる。
それだけは避けてほしい。

会えない回数を数えるのをやめた日から始まる

シフト表を見る目を変える

被る日が二回しかない、じゃない。
二回もある、でもない。そういう精神論はどうでもいい。
その二回に何を持ち込むかを決める。それだけの話です。

次に被る日までにやること

相手が最後にこぼした一言を思い出す。それを一つだけ、次に触れる。
月に一度、返信のいらない一行を送る。
会えない間に、仕事を一段上げておく。
たったこれだけ。
みんなはシフト表とにらめっこして、会える日を増やそうとしてる。
その横で、会えない時間を使い切った人間だけが、二回で決めてしまう。

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